この度の平成22年第1回広島市議会定例会にも、例年通り市長から多くの議案が提出されたわけですが、今回の場合特に市民から注目される議案も数件あり、審議が過熱したように思います。
その中で旧広島市民球場に関する議案については、旧広島市民球場の解体や条例の廃止、市が計画している広場の計画に関して大いに疑問を感じておりましたので、最優先で、反対の立場から臨むこととして、市の姿勢を質しました。
またオリンピックについては、可能か不可能かに関しては、素人なりに不可能と判断しておりまして反対の立場でしたが、この度は実現可能性を検討する予算として提出されていることを鑑み緩やかな承認も止む無しの立場で臨みました。
また、市長の選挙公約の折り鶴ミュージアムについては、現実的ではない構想であることから反対の立場で臨むとともに、市長の出張は、年々エスカレートする中、優先順位の低い出張の取りやめについて質問をしました。
以上のように、私は、旧広島市民球場の関連議案が最も優先順位が高く、そして折り鶴ミュージアムの検討や市長の海外出張については、市民に倹約を負わせておられることを考えれば、市長も当然、市民と同様以上の経費節約は必要と考えました。このことは議会から指摘されるもなく市長自ら行っていただくことが必要と考えます。このような内容を議論することは議会としてあまり高度な議論とは言えないでしょう。
以上が、第1回定例会に対する私の基本的な姿勢であったわけですが、次に、そのそれぞれについて、より詳細に私の考えを述べてみたいと思います。
まず、旧広島市民球場の関連議案についてです。
今回提案されました議案は、次のとおり、予算案と旧球場の廃止条例案であったわけです。
まず、予算案には、次の二つの事業が計上されていたわけです。
旧広島市民球場跡地の活用 1億8,329万9千円
跡地利用計画について、緑地・広場整備の具体化検討や回遊性向上方策の技術的検討を行うとともに、旧広島市民球場の解体工事等に着手する。
緑地・広場整備の具体化検討 318万7千円
回遊性向上方策の技術的検討 400万円
旧広島市民球場解体工事(第1期) 1億3,800万円
緑地・広場設計等 2,270万円
旧広島市民球場ライトスタンド耐震補強計画立案
260万円
旧広島市民球場跡地用地測量その他 1,281万2千円旧広島市民球場物品の有効活用 1億5,023万4千円
旧広島市民球場内の物品を整理するにあたり、資源の有効活用を図るため、付加価値をつけて物品等の売り払いを行う。
記念グッズの製作・販売その他 8,050万7千円
旧広島市民球場跡地整備事業基金積立金 6,972万7千円
※この事業はベンチの椅子などの備品やグラウンドの土などを利用してキーホルダーなどを作って販売するようです。総売り上げからグッズの製作費などの経費を引いて6,972万7千円が余り、跡地整備事業費に充てるようです。また、条例案としては、
旧市民球場条例を廃止する条例
1 廃止の理由
施設の老朽化等に伴い、旧市民球場を廃止しようとするものである。
2 施行期日
平成22年4月1日がありました。
私は、旧広島市民球場の跡地には、広島市の中心市街地の要となる施設整備が必要と考えております。
東の広島市民球場から西の旧広島市民球場跡地までの約2kmに、東西の集客力の要として位置付けられた施設が整備されれば、全国でも有数の中心市街地となりうると考えます。
このような観点から出発すると、市長が言われた150万人の集客施設といううたい文句が先行し理念の議論が薄らいでいたことと、制約のある土地に対して民間の資金にて行う事の限界の見通しが甘かったことは議会の責任でもあります。
その結果、優秀案2件が選ばれて、いつの間にか折衷案として広島市の手で出来上がったのが今の計画です。
折り鶴ホールにしてもいつの間にか折り鶴の展示はしないとの答弁にはあきれましたが、この広場は何を目的にして整備するのか理解し難いものになっております。
また、広島商工会議所の移転と護国神社の駐車場、PL教団の移転問題とこれから取り組む大きな課題もあり不確定のまま進められるのかとの疑問もあります。
さらに、旧球場を残してほしいなどの意見も多くあり市民の理解が得られているとは言い難いものです。
例えば、150万人という数字自体についても、人それぞれ様々な捉え方をされている可能性があると思いますが、いずれにしても、広場利用のみが目的として150万人が来場される集客力はないと考えました。
現在広島市は賑わいづくり研究会を立ち上げられ、この広場の賑わいづくりを検討されているようですが、このような研究会を立ち上げなければならないという事の裏にはこの広場には何の理念もないという事です。賑わいづくり研究会が提案するイベントを考えられるのであれば300万人の集客施設に変更してもらわないといけないと考えます。
私は、菓子大博覧会(平成25年)を旧広島市民球場のさよならイベントにして解体してはどうかと提案しました。あと残り3年間は旧広島市民球場を利用するという事です。
この3年間で跡地利用計画の再考をして市民が納得できる施設整備をしてくださいと提案いたしました。
私が提案したのは、老朽化した青少年センターや設備が古くなったこども文化科学館、十分に活用されていない映像文化ライブラリーや狭隘な市立図書館などの機能を集約した施設を低層階で対応して、建物がグラウンドとして併用できるものにすることにより、パブリックビューイングなどのイベントができる広場も備える施設にしてはと提案しました。子ども達が遊びながら学べ、大人が生涯教育で生き生きとした市民の創生が出来る施設です。
以上が、旧市民球場跡地に関する私の思いでした。
次回はオリンピックについて述べてみたいと思います。
posted by 永田 雅紀 at 19:35| 広島 ☁|
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